夜の首都高を走ると、東京の光をシークエンスとして体感することができます。ビルの合間に断続的にたち現れる東京タワー、上空まで輝く銀座のネオン街、暗く沈みこむ皇居や海。近くに流れる光と遠くにちりばめられた光が、複雑な順を追って重なり次々と表情を変える様子は、東京の光の多様性を強く感じさせるものでした。
レインボ-ブリッジと東京タワーの競演(有明JCT~芝浦JCT)
湾岸線からレインボーブリッジを渡ると、遠くに輝いていた東京タワーの存在感がぐっと増してくる。しかし海を渡りきったとき、すべての遠景は芝浦のビル群に呑み込まれてしまう。
銀座の空を走る道(東京高速道路)
東京高速道路は銀座の中空を縫って抜ける道路だ。昼はビルに囲まれて薄暗い感じのする道だが、夜はぽっかりと浮かんだ国際フォーラムの鉄骨の横腹や、空までも明るい数寄屋橋交差点に大接近できる。
東京の入り口(1号羽田線)
羽田線を都心に向かうと、倉庫や工場などの巨大で大雑把な光から、集合住宅やオフィスビルの温かみが混ざった光にかわる。モノレールと臨海線の下をくぐる頃、まさに東京らしい、ビルと広告の光が溢れだす。