街歩き・サロン

第4回照明探偵団サロン 「Enjoy Green Lighting① – 住宅/エコ・アイデアに満ちた楽しい住宅照明」

エコ・アイデアに満ちた楽しい住宅照明
団員から、これからのエコ・アイデアを発表。

2009年11月13日

今回のサロンでは住宅をフィールドワークとし、ちょっとした工夫でできる楽しいエコアイデアについて来場者の方と共に考えました。また、ゲストには建築家・難波氏をお招きし難波式のエコな住宅論を発表していただきました。

人と地球にやさしいあかりとは?

エコ・アイデアに満ちた楽しい住宅照明
反射光で充分な明るさが確保できた、タスク&アンビエント。

エコ・アイデアに満ちた楽しい住宅照明
シーリングライトに蚊帳をまくと、低いW数のランプでテーブル面もっと明るくできる。
s_20091113_04
皆で囲って話しが弾む、ファニチャーライト。

エコ・アイデアに満ちた楽しい住宅照明
難波氏、面出団長から、エコな住宅照明のあり方について対談していただいた。

s_20091113_06
今回も大勢の方が参加してくださいました。

あらゆるところで“Co2削減”や、“エコ”などといったキーワードを頻繁に耳にするようになりましたが、果たしてどれだけの人が実際にエコに取り組んでいるのでしょうか。
私たち団員も、照明に関して身近で何か出来ないだろうかと考えました。すぐに始められるようなエコなアイデアはないだろうか、それも我慢を強いる辛いエコではなく楽しみたいよね!と議論したのが今回のスタートとなりました。

おしゃれなあかり

そこで我々は、現状の住まいのあかりにちょっとした工夫を凝らして様々な光のシュミレーションを試みました。コイズミ照明さんにご協力いただき、ショールームにて実験をさせていただきました。まず、手軽に出来るのはテーブルクロスやカーテンの色味を変えることです。茶色い部屋と白い部屋では全く明るさが違ってきます。シーンによってテーブルクロスなどを替えることはインテリアのみならず光のおしゃれも出来るのです。また、スタンドの上部(天井など)にミラーを設置して作業面に光を反射させたり、部屋のど真ん中に居座っているシーリングにカヤを取り付け間接照明にしてみたり。こうして考えてみると色々な工夫ができ、既存の照明に一工夫するだけで新たな空間が生まれました。

小さなあかりとドカンなあかり

また、週に一度はすべてのあかりを落としてキャンドルナイトを楽しんでもよいでしょう。打って変わって、お祝い事がある日には煌々とまばゆいくらいのあかりを一日限りは点灯させてもよいのではないでしょうか。日常からエコに取り組みつつもアクティビティーに合わせ、バランスの良いエコなあかりをもっと自由に楽しみたいものです。

(井本有衣子)

難波式・照明デザインの4層構造

ゲストである建築家・難波和彦氏からは、ご自身の「箱の家」シリーズの考え方とともに、家の要素のひとつである照明デザインについても難波式の方程式に則ってお話いただきました。
まずは難波氏の建築の方程式をご紹介すると、「箱の家」シリーズでは下記の建築の4層構造を兼ね備えているとのことです。

① 物理性:構造の標準化・長寿命化
② エネルギー性:日射、風のエネルギーを取り入れ可能な限り省エネ
③ 社会性:壁をやめ、プライバシーの無い家を提案する
④ 記号性:完全なシンプルな箱

たくさんのスライド写真と共に、どのような照明器具を使ってきたのか、初期の作品から順々にご説明いただきました。
照明に低いW数のランプを選ばれた住宅では、住み始めたばかりの住民の方から、「少し暗い、、」とクレームが寄せられたこともあったそうです。そこを難波氏は「2ヶ月がまんをして、それでも暗いようならば」と住民に暗さになれることを勧めます。2ヶ月後、クレームは不思議なことにどの住宅でも今まで一切なかったとのことです。ゆっくりと時間をかけると暗さに慣れ、普通に生活することができるのです。

最後には住宅照明の4層構造を提言して頂きました。

① 物理性:照明器具種を2?3種類しか使わない。
② エネルギー性:数を出来るだけ最小限にする。
③ 社会性:フレキシブル。住み手が後から取り替えられる。
④ 記号性:昼間は使わないものなので、出来るだけ小さな器具にする。照明自体が背景となるような。

「箱の家」シリーズで追求されている最大のテーマは、建築のサステイナブル(持続可能性)化です。
難波氏のお話から、私たちも追及していくべき照明デザインのサステイナブル化、そして今回のテーマでもあるenjoy green lightingを達成していくためのヒントをたくさん頂くことが出来ました。

難波氏&面出団長の対談

クリストファー・アレグザンダーの「パターンランゲージ」を例に、機械的にひたすら繰り返すことが大切だという会話から対談が始まりました。 難波氏は放射温度計を、面出団長は照度計を常に持ち歩き、自分がその機械になるかのように訓練をし、それぞれに快適な温度、照度を探った経験があるそうです。
お二人の対談の中に「ただひたすら繰り返し、自分をまずは機械にする。そして機械が背景に退いた頃に、自分がのっかるようになってくる。」というお話がありましたが、私たちはまずはゆっくりと暗さになれ、昔からの自然の光の色や移ろいを今まで以上に堪能していくことが、エコな照明デザインを楽しみ、環境を守ることににつながるのではないかと今回のサロンを通し考えさせられました。

(藤井美沙)

関連する投稿

おすすめの投稿

PAGE TOP