探偵ノート

第006号 – 「なまはげ」が山から下りてきた

Update:

(秋田男鹿半島に見る「なまはげ柴灯まつり」を見て)2月15日に秋田の「なまはげ祭り」を見に行ってきました。その時の模様をレポートします。

午前11時頃に東京駅を新幹線で出発して、秋田駅に着くまでには少し時間がかかりました。なるほど新幹線もレールの幅が違ったりすると、色々苦労しながらやっているんだなあ、と納得しました。車窓から雪景色に覆われた寒そうな北国の景色を眺めているうちに、大切な忘れ物に気がつきました。何とズボンシタ。極寒の地に「なまはげ」を見にいくには暖かくしなければ…とたくさん着込んできたのですが、大切なズボンシタを忘れていました。あわてて秋田の駅前で防寒用のズボンシタを購入して、「これでよし」と胸をなで下ろしたのですが、現地について見ると思ったように冷え込んではなくて、その効力も発揮せず、むしろ汗ばむような始末でした。雪国の冬の祭は厳しい寒さの中でビンビン行われなければいけません。

この「なまはげ柴灯(せど)まつり」は今年で36回目を迎えるそうで、蓑をまとったなまはげの一群が、山から松明を片手に神社の境内まで下りてくる様が幻想的で雄大だという噂を聞いて、大いに期待して行ったのです。さて、夕暮れ6時過ぎになると境内では雅楽が始まり、既に「湯の舞い・ちん釜祭」が繰り広げられていました。何が何だか解らないままに、様子をうかがっていると、「なまはげ入魂」だとか、「なまはけ再現」だとかいう儀式が行われ、「里のなまはげ乱入」の後に「なまはげ太鼓」の披露、そしてついに「なまはげ下山」のクライマックスに至ります。

本当は、吹雪いているような極寒の日に、赤々と輝く松明を手にし、鬼の面を被ったなまはげが、奥の山から一列に並んで段々と人里に下りてくる…。という荘厳なシナリオが描かれていたのですが、当日は何時になく気温の穏やかな日で、そのシナリオが効力を発揮していない様子でした。厳しい寒さの夜、粉雪の舞うような夜でなくては効果半減というところでしょうか。荒々しく燃え盛る松明の灯が、遠くの山から徐々にはっきり視界に入ってくる。やはり雪が降らないことには何となく緊張感もなく幻想的でもない。雪国の夜祭りは、シンシンと降る雪に出合ってこそ真価が発揮されるものらしいことが良く解ります。酒の入った「なまはげ」も今ひとつ鬼になりきった演技が感じられません。恐ろしい面を被って威嚇して回るなまはげ。そのなまはげがまとう蓑の一部を引きちぎって持ち帰ると縁起がいい、ということを聞いていたので、思い切って引きちぎろうとしたら、思いがけずに、なまはげが転倒しそうになって怒っている。既にお神酒を頂いて酔っ払っている「なまはげおじさん」の真剣に怒ることといったらない。こちらも酔っ払ってはいたが、相手の迫力に負けて思わず逃げ回った。祭には酒が付き物だ。ましてや寒い夜の北国の夜。緊張感の欠いた祭ではあったが、境内に集まった人はみんな幸せそうに見える。

これでいいのです。幸せを求めて、北国の夜祭りは皆で盛り上がるのです。粉雪と松明とお神酒があれば、それで幸せなのです。何だか言っていることがでたらめに思えてきましたが…。ごめんなさい。既に機内でたくさん酒を飲んでいます。飲めば幸せになります。

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