世界の光環境を把握するため、世界中の都市を訪れて継続的な調査活動をおこなっています。これまでに70 都市以上を調査し、その記録は“ World Lighting Journey ”としてまとめられています。ここでは、世界の光環境を比較検討する上で重要な基礎データの一部を紹介します。
スロベニアの首都機能を全て持ち合わせながらも、赤い瓦屋根の美しい町並みが広がる古都・リュブリャーナ。 夕暮れ時にリュブリャニツァ川沿いに憩う人々が灯すほのかなあかりと、ライトアップされた歴史的建造物。コンパクトにまとまった街に点在するめりは…
ビジネスの中心から商業の最先端エリアへと生まれ変わった丸の内界隈の調査を皮切りに、東京という大夜景都市の中心に位置する東京タワーの光、そしてその展望台から望む東京の光を調査した。 丸の内仲通りは高さ31mに統一されたファサードにはさまれてい…
2007年春の香港。ウォーターフロントを飾る100万ドルの夜景、重なり合うネオン看板がつくるストリートの風景、開発が進むいくつかの巨大な建設現場。そこは時代の変化を思わせる現在・過去・未来の景色を全てまるごと抱えた小さな力強い都市だった。 …
巨大な商業施設の開発が続くバンコックは、仏教と近代が溶け合うような夜景を見せる。洗練された現代建築、高級レストランやショッピングセンターの光、しかしその直ぐ脇には露天商や屋台に剥き出しの蛍光灯が溢れている。 ライトアップされる暁の寺(ワット…
目まぐるしい変化を続ける都市バンコク。以前行った東京・神田川の調査では、川に対して背を向けたビルが都会の闇をつくり出していたが、チャオプラヤー川の川辺には、対照的なオモテの景色があった。ビルの屋上にオープンエアのレストランやバーが並び、眼下…
大規模な再開発が進められ、今まさに転換期にある新宿。その現在の姿を調査すると、高層ビルからの漏れ光や夜通し輝き続ける大きな広告看板の光など、人が密集する街ならではの風景にいくつも出会った。 5年後に完成予定の南口再開発地域。歩行者通路を取り…
昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分、広島に原爆が落とされてから61年の月日がたった。毎年8月6日に行われる平和記念式典には被爆者が眠るこの地に、約5万人の人々が訪れる。その夜、原爆ドーム脇を流れる元安川では、人々の手によって数千…
高架に隠された日本橋川、川幅が広く開放された隅田川、いずれの川にも各々の存在を主張するかのように多種多様な橋が架かっています。そこでは特徴的な水と橋と光の風景に出会いました。 名橋「日本橋」のそばに新しく建てられた日本橋三井タワー。日本橋エ…
JFK大統領暗殺の舞台として有名な商業都市ダラス.世界中から建築関係者を誘う 文化都市フォートワース。いずれの都市のビルもテキサスの強い日差しを克服すべ く熱線反射ガラスをまとい、エッジ演出を余儀なくされた姿を相互に映し出していた。 ダウン…
若者が集う街、渋谷。その渋谷を構成するのは個性豊かな複数の表通りとそれに挟まれる裏通りの存在である。異なる特徴と役割を担って発展を遂げた各エリアが、それぞれに特徴的な光の様相を纏って渋谷の夜を織り成している。 駅前のスクランブル交差点を基点…
数多くの都市の中で、横浜は比較的抜けている空間が多い。高層建築に対する圧迫感は無く、水のもたらす夜景は、観る誰もの心を癒すことだろう。観覧車から眺める“視点の変わる夜景”も見ものである。 横浜の象徴ともいえるランドマークタワーを背景に、横浜…
長崎市は“ちゃんぽん”な町として有名であるが、都市照明も同じくちゃんぽんな計画である。様々な種類の照明器具やポール灯からこぼれる、白、オレンジ、緑色の光が虹のように長崎の夜を染めている。主な照明は道路照明だが、歴史的建造物のライトアップも多…
20世紀に誰もが夢見た電飾の不夜城、それがマンハッタン。人々の熱量は光 り輝く夜景に示されている。だから摩天楼のあかりは終日点いている。 NY夜景 の美しさは、何といっても川向こうから眺める光のスカイラインだ。 エンパイヤ-ステート・ビルか…
街並みや光環境に個性もありながら、整理された仕組みが街全体の統一感もつくり出している。公共と個の絶妙な光のバランスが、ほどよい都市のスケールの中で実現していた。 天神地下街は、徹底的に白熱灯のあたたかい光で構成され、他にない独特の雰囲気があ…
リゾートホテルで過ごす贅沢な時間と、島の鄙びた景色の中に緩やかな日常が混在している済州島(チェジュド)。水平線は漁船の真白な光でぽつぽつと縁取られ、海と空の境界線を夜の闇に浮かび上がらせる。 水平線に漁船の光が灯る。 刺身店の水槽の光が道行…