探偵ノート

第003号 – 内向き志向の若者たちへ

Update:

コーヒーブレーク: 面出さんと私
Interviewer: 坂野真弓

テーマ:『「草食系・内向き志向」と呼ばれる若者たち』

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坂野 今回は、ちょっと趣向を変えて、「草食系・内向き志向」と呼ばれる若者たちに焦点をあててみたいと思います。私はLPAに入社してから、海外の仕事に携わるようになり、海外出張に行く機会がたくさんありました。特に中国に行って感じることは、いまの日本の社会とは正反対の、活発で元気溢れる熱気を肌で感じます。今後日本国内の市場が簡単に拡大していかない現状で、海外に目を向けないと大変なことになるのでは、と心配しています。そんな時に、「草食系・内向き志向」と言われる若者たちが増えているようなので、私は日本の将来が心配でなりません。草食系ではない面出さんは、海外に苦手意識のようなものはありましたか。

面出 僕は基本的に仕事が大好きだから、それが国内だろうが海外だろうが関係ないね。ただ、国内の仕事とはやり方も違うし、言葉の違いについても面倒に思うことはあるけれど、少しずつ英語がうまくなってきたりすると、逆にわくわくすることの方が多くなった。好奇心が常に旺盛なんだね僕は。よし、やってやろうっていう気になる。つまり、人生の中で「小さな冒険」を繰り返したいと思えるかどうかじゃないかな。
最近の草食系と言われる人たちは、ネット大好きだから、ネットの中で全て解った気になっちゃうんだろうね。ネットで手早く探してきた「とりあえずの答え」で満足している気がする。

坂野 そうですね。インターネットが身近になりすぎて、好奇心の欠如や、悩んで自分なりの答えを探すことがなくなってきているのかもしれませんね。「小さな冒険」は私も大好きです。面出さんは学生と接する機会も多いと思いますが、最近の学生たちの変化を感じることはありますか。

面出 もちろん、彼らはドラスティックに変化していると思うよ。こんな不安定な時代に変わらないでいられるはずもない。一番気になっているのは会話力・コミュニケーション能力の低下かな。自分の考えや意見を伝えることが、たぶん苦手なんだろうね。「先生にうまく話せないことは、私のブログを見て下さい。」なんて言われたことがある。相手に自分の話を聞いてもらうためには、まず自分が相手の話を聞くということが大事だけど、最近の学生は聞きすぎちゃって、はね返ってこない。みんな「いい子」過ぎている感じがするよ。僕が学生の頃は本当に生意気だった。真剣に先生につっかかったものだよ。

坂野 自分の意見をもつこと、それを自分の言葉で伝えることができなくなってきているのでしょうか。
それって寂しいことですね。

面出 そうだね、みんなと仲良くするあまり、人との差異に価値を見いだせないのかもしれない。どこかで皆と同じでいたい。「お前変な奴だね」って言われると、現代っ子は傷ついちゃうからね。
僕にとって「変な奴」は勲章なんだけど…

坂野 人前で恥をかきたくない、失敗したくないと気にしすぎなのかもしれませんね。 よく若いうちにたくさん失敗しなさい、と言われますが。

面出 早く成功を求めない。健全に「恥をかくこと」をすすめるね。 僕も英語で話すのに、随分恥をかいてきたよ。何度も自分が嫌になったし、悔しいことも多かった。でもそういう経験が僕を鍛えてくれたし、成長させてくれた。

坂野 いくつになっても失敗を恐れない心が大切なんですね。

面出 ところで、草食の反対は肉食だけど、あまりガツガツ過ぎるのもやだなぁ。野菜はいくら食べても体にいい…って考えると草食系も悪くないのかも。ただ上質な肉も時々はしっかり食べたいし…。あっ、そうだ、雑食系なんていうのはどう? いろんなものを掛け合わせて食べちゃう雑食系が、実は一番タフでいいんじゃないかな? ときどき人に優しくなったり、自分に厳しくなったり。スローライフを楽しんだり、突然ダッシュしたりして…。うん、草食でも肉食でもなく、やはり雑食が正解だな。

坂野 何か、答えが見えましたね(笑)仕事においても、人生においても、バランスをとること、メリハリをつけることが大事なんですね。私も雑食に励みたいと思います。ありがとうございました。

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