テーマ:『Playback!』
Interviewer: Bryan Yan
「Playback」。今日は自分の過去について話してみたいと思います。誰でも過去を持っています。悪い思い出を思い出すのが嫌な人もいるでしょう。
Bryan:面出さん、こんにちは!面出さんとのコーヒーブレイクを楽しみにしていました。面出さんのように多くの功績と経験を持っている方は、振り返りたいと思う過去をたくさん持っているのではないでしょうか。私は物語が大好きなのでこの機会に面出さんのお話しを聞いてみたいと思います。
LPAの数多くのプロジェクトの中で、どのプロジェクトが一番好きかを教えてください。
面出:そうだね、ぼくはいつも今に集中して楽しもうと思っているし、近い将来のことを考えている。思い出すのはあまり得意ではないね。 でもひとつ好きなプロジェクトを選べと言われれば、「東京国際フォーラム」かな。理由は、LPA事務所設立後の最初の大規模プロジェクトだから。 LPA設立の3日目に、このプロジェクトの照明デザイナーになるようにニューヨークから招待の電話を受けた。 その後仕事を始めてコンセプト段階から最終調整まで、6.5年かかったけど、非常にうまく出来て、東京のランドマークの1つになった。 これは驚くべきことだね。
Bryan:私たちの生活の中では、浮き沈みがあります。 私は、LPAにもダウンの瞬間があると思います。 それほど悪いことではないかもしれませんが、悔いの残るプロジェクトがいくつかあるはずです。 面出さんの心の中に残っているプロジェクトはありますか。 もしやり直す機会があれば、どのプロジェクトを選びますか?
面出: うーん…予想外の質問だね。 1つ選ぶとすると、北京のCCTVタワー。 LPAは、コンセプトおよび実施設計を行ったんだけど、現場管理には呼ばれなかった。 デザインコンセプトもスキマティックデザインもよかったんだけど、出来上がったものは期待したとおりではなかった。 もしこのプロジェクトをやり直すことができれば、私たちのデザインを守るため、現場管理までかかわれるように戦うだろう。 照明デザインは机上ではなく現場で行うということが身にしみてわかったプロジェクトだった。
私はお菓子作りが好きです。(もちろんたくさん失敗しますが。) 毎回より良くするためにレシピを改善しています。 私は時々友人に自身を見つめなおすようにアドバイスします。 自分自身を改善することは恥ずかしいことではありません。
Bryan:私が一番好きなLPAのプロジェクトは何だと思いますか。
東京駅のリノベーションプロジェクトです。 100年の歴史を持つ建物と施設。 そこにはたくさんのストーリーがあるはずです。国の主要な駅として、多くの人々が家族に会ったり、友人や愛する人たちに別れを告げたりする場所として存在してきました。
このプロジェクトの指名を受けた時、ある種の特別な感情や情熱を持っていましたか?
面出:いいえ。特別な感情はなかったですよ。 私は東京生まれで東京駅が大好き。だけど100年前の東京駅を復旧させ、また100年後まで輝かせる必要があることは十分わかっていたからね。
Bryan:面出さん、ありがとうございました。