世界の光環境を把握するため、世界中の都市を訪れて継続的な調査活動をおこなっています。これまでに70 都市以上を調査し、その記録は“ World Lighting Journey ”としてまとめられています。ここでは、世界の光環境を比較検討する上で重要な基礎データの一部を紹介します。
南米のパリを目指したというブエノスアイレス。長い昼休み(シエスタ)のせいも あって、夜更かしも並大抵ではない。昼と見間違うかのような明るさの繁華街も ある。ここには南米独特の熱気と怪しげなカオスが交じり合っている。 アレム通りの夜の景色。セ…
東京における、集合住宅エリアの光の多様性 集合住宅こそ実は、東京の主役である。都市が大きくなり繁華街が発展するほど、それを支える住宅の密度も高くなり集合住宅の割合が増えてくる。住宅土地統計によれば、東京23区内の住戸のうち集合住宅の割合は実…
皇居周辺の光から闇へのコントラスト 東京の中心にある皇居周辺は人気ランニングコースとして多くのランナーで賑わっています。また近年、皇居外苑や和田倉噴水公園などでは低炭素社会の実現へ向けて公園内の屋外照明をLED化しリニューアルしています。そ…
吉祥寺は、様々な要素が凝縮されている街だが、雑多な雰囲気がしないよう、街が整理されている。民公が手を組み積極的に進められる街作りにはどのような光のルールが隠れているか、また生活の場でもある商店、公園等の光はどのような表情を形成しているのか、…
多島海景観、自然景観、人文景観の調和を評価されている瀬戸内海。内海と島々は、季節と時間によって豊かな表情を見せてくれる。そんな風景の中、夕暮れ、日の出時に、うっすらと浮かび上がり、そして消えていく、まちや船の明かり。光輝く都市部の夜景とは違…
江戸時代に栄えた街並みを現代まで伝える神楽坂。古い料亭や居酒屋が軒を連ねる路地を、行燈の灯りや店先の暖かい光が照らし、ここが新宿区という東京都心であることを忘れさせる。歴史ある街に自然と息づいている灯り、その街を生かす灯りを調査した。 遠く…
都心に位置し、多数の文化施設と史跡を内包する上野の森。そこには光の溢れる繁華街とはまた違った東京の夜があるはずだ。暗く沈む夜の木々の間から明るい空がのぞくその場所には、静寂の中に喧騒が紛れ込み、緩やかに共存している姿があった。 JR駅から上…
天津は北京の東150kmに位置し、高速鉄道で30分で結ばれる。租界地としての歴史を持ち、英仏などの西洋建築・街並が有名。また、中国北方最大の港を備え、経済技術開発区として発展が望まれている。 駅を降りると、天津の街並をパノラマ状に見渡すこと…
路地と小さな商店が主役の街、下北沢。その路上には夜遅くまで人が溢れている。幹線道路と高層ビルに置き換える計画が進んでしまう前に、下北沢の夜にある不思議な落ち着きの理由を探して、入り組む路地を歩き回った。 ビルの上半分には看板などの光源がほと…
経済の中心として発展してきたベトナム最大の都市、ホーチミン市。現在この街はいたるところで工事が行われ、新しい景観へと変化していくまさにその途中にある。街は、そして光環境は、今後どのような変貌を遂げていくのだろうか。 現在のところホーチミン市…
かつては中継貿易で栄えた都市。 今は伝統的な町並みを守り、観光地として生き残ろうとしている。 満月の夜の行灯祭りなどに見られる古き良き時代の再現は、昨今のgo back to the basicsの姿勢につながる。ある意味やみくもに経済発展…
浅草寺の門前町である浅草は、明治から戦後に至るまで、歌舞伎、オペラ、落語などの東京屈指の盛り場として栄えてきました。街路灯は装飾的で多種多様なかたちを見せてくれます。数多くの通りを調査した探偵団は、浅草らしい灯りのかたちに出会いました。 雷…
コロニアルな風情が漂うジョージタウン。街全体には古い町並みとイギリス統治時代の歴史的遺産が多く残っている。 ヨーロッパによく見られるような美しく整った町並みとは違い、生活感溢れる町だった。 ジョージタウン市街にある展望台からの俯瞰。車道の光…
アジアを代表する大都市クアラルンプール。近年では経済成長という急激な変化が加わり、街中に高層建築が建ち並んで発展を遂げている。 野外市場では、様々な人々がどこからか自然と集まり、活気とエネルギーを感じた。 クアラルンプールのシンボル、ペトロ…
プトラジャヤは、クアラルンプールからの首都機能移転に伴い、行政の首都として開発されている。 都市計画には国家の威信や象徴性が感じられ、照明も緻密に計画が進められている。 国家の威信を感じるこの街では、中心性と視点が重要な要素となっている。 …
夜の首都高を走ると、東京の光をシークエンスとして体感することができます。ビルの合間に断続的にたち現れる東京タワー、上空まで輝く銀座のネオン街、暗く沈みこむ皇居や海。近くに流れる光と遠くにちりばめられた光が、複雑な順を追って重なり次々と表情を…
宮廷文化と芸術の街サンクトペテルブルク。かつてロシア帝国の首都だったこともあり、華麗な歴史を伝える宮殿や聖堂が数多く建ち並ぶ。新しい建築がほとんど見られないこの街では、近年の経済成長が感じられる光環境に出会うことはなかった。 女帝の隠れ家エ…
闇に埋もれたモスクワの街にそれでも輝くいくつかの建築群は権威の象徴か。極度に商業のための猥雑な光が失せた時、街はこれほどまでに活気を失い、静けさを取り戻すものなのだ。冬の寒さの中に孤高な光が点在する。 モスクワ大学の夕景を臨む。 現在のボリ…
昼は半袖でも、太陽が沈むと吐く息がうっすら白い夏のロシア。モスクワ中心部に数多く通る巨大な幹線道路には、この国らしさを象徴するスターリン・クラシック様式などの重厚な建築がずらりと建ち並び、繊細でダイナミックな美しい光の化粧がよく似合う。しか…