世界の光環境を把握するため、世界中の都市を訪れて継続的な調査活動をおこなっています。これまでに70 都市以上を調査し、その記録は“ World Lighting Journey ”としてまとめられています。ここでは、世界の光環境を比較検討する上で重要な基礎データの一部を紹介します。
昼は半袖でも、太陽が沈むと吐く息がうっすら白い夏のロシア。モスクワ中心部に数多く通る巨大な幹線道路には、この国らしさを象徴するスターリン・クラシック様式などの重厚な建築がずらりと建ち並び、繊細でダイナミックな美しい光の化粧がよく似合う。しか…
国際的な雰囲気をもった繁華街として発展し、近年の開発によりビジネス街やアート発信地としての求心力も増してきている六本木。その多面的な街を彩る光を探りに、探偵団は4月の六本木を自転車で駆け巡った。 六本木交差点付近には繁華街としての景色が色濃…
珠江デルタの北部に位置する広州。 「食は広州に在り」 そう呼ばれる所以の広東料理は、様々な調理方法で、何でも食べる料理だ。 そんなエネルギッシュな人々が創り出す光景は多彩で、中国の経済発展を象徴するかのような活気に満ち溢れている。 広州市内…
5つの運河が中央駅を扇状に囲むように流れるアムステルダムの街。運河沿いにはノスタルジックな町並み、近郊の再開発地区にはユーモア溢れる現代オランダ建築と、同じ都市にありながら バラエティーに富んだ光景に出会うことができる。 スキポール空港のサ…
街中にポールヘニングセンのデザイン思想が染み付いているかのようだ。やわ らかく優しい光、自然光と共存する夜景、それがコペンハーゲンの夜を創って いる。技術だけでは語れないもの、この街はその大切さを教えている。 ストロイエの広場。ポールを持た…
スペイン、日本、アメリカによる統治により多様な文化を受容したフィリピン。建築、料理に同じく、独自にアレンジされた文化は光環境にも見られた。そして、私たちは光の明暗の裏に、生活水準の格差を目の当たりにした。 人々の生活の拠点となっている教会の…
スロベニアの首都機能を全て持ち合わせながらも、赤い瓦屋根の美しい町並みが広がる古都・リュブリャーナ。 夕暮れ時にリュブリャニツァ川沿いに憩う人々が灯すほのかなあかりと、ライトアップされた歴史的建造物。コンパクトにまとまった街に点在するめりは…
ビジネスの中心から商業の最先端エリアへと生まれ変わった丸の内界隈の調査を皮切りに、東京という大夜景都市の中心に位置する東京タワーの光、そしてその展望台から望む東京の光を調査した。 丸の内仲通りは高さ31mに統一されたファサードにはさまれてい…
2007年春の香港。ウォーターフロントを飾る100万ドルの夜景、重なり合うネオン看板がつくるストリートの風景、開発が進むいくつかの巨大な建設現場。そこは時代の変化を思わせる現在・過去・未来の景色を全てまるごと抱えた小さな力強い都市だった。 …
巨大な商業施設の開発が続くバンコックは、仏教と近代が溶け合うような夜景を見せる。洗練された現代建築、高級レストランやショッピングセンターの光、しかしその直ぐ脇には露天商や屋台に剥き出しの蛍光灯が溢れている。 ライトアップされる暁の寺(ワット…
目まぐるしい変化を続ける都市バンコク。以前行った東京・神田川の調査では、川に対して背を向けたビルが都会の闇をつくり出していたが、チャオプラヤー川の川辺には、対照的なオモテの景色があった。ビルの屋上にオープンエアのレストランやバーが並び、眼下…
大規模な再開発が進められ、今まさに転換期にある新宿。その現在の姿を調査すると、高層ビルからの漏れ光や夜通し輝き続ける大きな広告看板の光など、人が密集する街ならではの風景にいくつも出会った。 5年後に完成予定の南口再開発地域。歩行者通路を取り…
昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分、広島に原爆が落とされてから61年の月日がたった。毎年8月6日に行われる平和記念式典には被爆者が眠るこの地に、約5万人の人々が訪れる。その夜、原爆ドーム脇を流れる元安川では、人々の手によって数千…
高架に隠された日本橋川、川幅が広く開放された隅田川、いずれの川にも各々の存在を主張するかのように多種多様な橋が架かっています。そこでは特徴的な水と橋と光の風景に出会いました。 名橋「日本橋」のそばに新しく建てられた日本橋三井タワー。日本橋エ…