探偵ノート

第81号-旅のスタイル:自然派?街派?

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Interviewer: 郭 献伟

郭:今日は旅行についてお話ししようと思います。面出さんはよく旅行をしていますよね。自然の多い場所と街とでは、どちらを探索するのが好きですか?

面出:あなたはどちらが好きなの?

郭:私はどちらかというと街派です。ストラクチャーを見るのが好きなんです。子どもの頃はレゴが大好きで、いつも何かを組み立てていました。だから旅行に行くと、建築物を見るのが楽しい。いろいろなデザインを観察するのが好きなのです。だから私は「街派」だと思います。
面出さんはどうですか?自然が好きなタイプですか?それとも街を探検する方が好きですか?

面出:どちらも好きだね。だけど特に自然にはいつもインスピレーションをもらっているので、自然派かな。僕にとって自然は本当に大切な存在なんです。日本人は、海とか山とか、人間そのものも自然の一部として敬う気持ちがあるんだよね。
デザインを志してからは、世界中いろんな都市に行く機会が増えた。街を訪れて人々の生活や建築のデザインを見るのもすごく楽しいけれど、それでもやっぱり、時々自然の中に身を置いてバランスを取らないと。
妻とタンザニアに行って、自然の中の野生動物を観察したことがある。それに、びっくりするかもしれないけど、私は60歳でスキューバダイビングを始めて、70歳になってからは毎年3000m近い山に登っているよ。

郭:それはびっくりです!私にはちょっと難しいです。シンガポールは都市型の国なので、面出さんみたいに自然に触れる機会がなかなかないですね。

面出:それはあなたに限らず、シンガポールの人はだいたいそうでしょう。

郭:そうですね。だからシンガポール人は旅行が好きなのですよね。他の国のいろんな景色を見たり、自然に触れたくて。

面出:シンガポールの私の友人は、日本にスキーをしに行く人が多いよ。

郭:そうでしょう。シンガポールのような熱帯の国には四季がないので、移りゆく景色を体感したり、季節ならではのアクティビティを楽しんだりできないんですよね。

面出:それはその通りだね。

郭:面出さんは様々な地域に行ったことがあると思いますが、よく知っている場所と初めての場所とでは、どちらを探索するのが好きですか?

面出:私はよく知らない場所を探検するのが好き。皆が知ってるような有名な場所もたくさんあるけれど、私はあまり知られていない面白い村や小さな町に行って、地元の人たちの日常を感じるのが趣味だね。上海や北京みたいな大きな都市でも、中心部より路地や郊外の方が面白い。美しい建物や景色を見るためじゃなくて、そこに住む人たちの生活の仕方を体験することに興味があるんだよ。

郭:私もそうです。旅行というのは、ただ美しいものを見るだけではなく、現地の人たちの文化を理解することでもありますよね。面出さんは、これまで訪れた場所でお気に入りの場所はありますか?また行きたいと思っている場所は?

面出:妻も私も年齢を重ねるにつれて、毎年同じ場所に行くのが好きになったね。スペインの南部にあるアンダルシアの小さな街がとても気に入っています。アルハンブラ宮殿のような歴史的な場所がある美しい町。ロンダという小さな町にも行きます。そこも美しい場所で、バールでは美味しい食べ物が楽しめる。アメリカ東部のメリーランド州にも行きますね。そこには典型的なアメリカンライフが今も残っている。
あなたは、どこかお気に入りの場所があるの?

郭:私は日本が大好きなのです。いくつかの都市には行ったことがありますが、もし可能なら、あまり知られていない町に行って、地元の文化を体験してみたいです。それが旅行の魅力だと思います。テレビで見たり、インターネットで読んだりすることが少ない、そういったものを探検するのが楽しいんですよね。 旅行は単に美しい景色や建物を見るだけではなく、現地の文化を感じたり、観察したり、受け入れたりすることだと思うんです。

面出:私も、いろんな場所で人々がどんなふうに生活しているのか、すごく興味がある。

郭:そうですね、旅行は自分の知識を広げたり、視野を広げたりするのに役立つと思います。それがより良いデザイナーになることにもつながると思います。

面出:インドが好きな人もいれば、そうでない人もいますよね。私はインドが大好き。あなたは行ったことある?

郭:以前仕事でニューデリーとムンバイには行ったことがありますが、観光客としては行ったことがありません。でも、インドは文化がとても豊かだと感じていますね、ちょっと矛盾している部分もありますが。一方では高層ビルが見えるけど、もう一方にはスラム街がある。それがインドの日常風景になっている気がします。
先日、チャンディガルの都市照明調査がありましたよね。私たちにとっては本当に目からウロコの内容でした。ル・コルビュジエのビジョンがあっても、それが地域の独自の文化や文脈と融合していなければ、計画通りにはうまくいかないかもしれませんね。

面出:旅行するなかで、ローカルフードも楽しめますか?私は単にいろんな場所を訪れるだけでなく、いろんな種類の食べ物を食べてみるというのも楽しみなんです。例えば最初はドリアンの匂いや味が全くダメだったけれど、他の人があんなに美味しそうに食べているのを見て、2回目、3回目と挑戦してみる。そうしたら、なんと今ではその美味しさのとりこになってしまった。

郭:それはかなりの冒険でしたね!

面出:好奇心に任せる。それが私の旅行の考え方だ。新しい場所を探検して、現地の文化を体験することが大切だと思う。

郭:本当に旅行を楽しんでるんですね! 私も面出さんのように、もっと熱意を持てるようになりたいです。今日はありがとうございました。

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