探偵ノート

第063号 – シャンデリアをデザインしてみたいと思った

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私は常に建築照明デザイナーという職能は照明器具の姿かたちから逸脱して、真に光と人の関係に純化して照明デザインを語るべきだ…と言うようにしてきた。これまでの日本の照明デザインの浅い歴史は照明器具の姿かたちのみに一喜一憂していて、その照明器具が格好いいとか悪いとか、そんなことよりもっと大切なことがあるのでしょう、というような気持ちだった。

しかし最近は「照明デザインは光の量や照明器具の姿かたちだけではないですよね?」と語って、ほとんどどなたにも頷いてもらえるようになっている。と同時に、建築照明デザインは何もダウンライトやスポットライトの普及事業をやっているわけではないよね、ということに私たちも気づき始めた。だから私は数年前から面出風シャンデリアをデザインしたいと思うようになったのだろう。もちろん欧州の輝かしい伝統の中にあるものを真似ようとは思わないし、日本独特の住宅用蛍光灯シャンデリアのパロディを再現しようとも思わないのだが、どうにかして繊細にしてダイナミックな素材の使い方で、これまでにない建築的シャンデリアができないものか…と考えている。

ところが世の中はうまくできたもので、私が考えるイメージの一端がスワロフスキーというクリスタル・シャンデリアの老舗から発表されたのだ。今年のミラノで行われたユーロ・ルーチェでのこと。私の撮った内緒の写真を見てもらいたい。格好良く撮れているでしょう。遡った時代のイコンが新しいデザイン表現で息を吹き返す。クリスタル・ガラスのカーテンに出会ったときにそんな照明効果を感じた。この前でシルエットになってみたいと思った。展示会にはおそらく20人ほどの建築家やデザイナーが依頼された作品を展示していた。まあ、中にはもちろん詰まらない回答もあったが、私だったらこうするな…、というアイディアがふつふつと湧いてくる展示会だった。

シャンデリアも建築照明デザインの立派な道具のひとつとなる時代を迎えた。

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